2011年03月22日
■ 新ブログ
ブログ引っ越した。
新しいURL。hahaha
2010年12月31日
■ ハロプロ?大賞2010 イメージ部門
写真集
- 高橋愛 『形』 書籍
- モーニング娘。 「アロハロ!モーニング娘。写真集2010」 書籍
- 亀井絵里 『sweet』 書籍
- 安倍なつみ 『夏・美』 書籍
イメージビデオ
- 高橋愛 「Figure」 Blu-ray
- モーニング娘。 「アロハロ!4 モーニング娘。」 Blu-ray
- 亀井絵里 「too sweet Eri」 DVD
- 安倍なつみ 「夏海」 DVD
デジタル写真集
- 高橋愛 Digital books vol.69(2009年写真集「私」より) データ
- 高橋愛 Digital books vol.71(2009年写真集「私」より) データ
- 高橋愛 Digital books vol.74(2010年写真集「形」より) データ
- 高橋愛 動く!写真集「アロハロ!モーニング娘。2010」 データ
白井 ん?写真集とかじゃなくて、DVDとかも全部一緒?
長 メディアの種類は関係ないからね。楽曲だって別にCDでなくてもかまわないわけだし。ただ順位はメディアごとに出しておいた。やっぱ動画と静止画じゃいろいろ違うし。
黒田 それにしてもなんだかんだたくさん買ってるね(笑)。
白井 写真集とイメージビデオはある意味同順だな。
黒田 要するに「愛ちゃん」がたくさん写ってれば満足なんでしょ(失笑)。
白井 なるほど、だから全部が高橋愛ソロである「デジタル写真集」では順位がついていたいわけだ(笑)。
黒田 で、冒頭で高橋愛のエロスについてはさんざん語ってもらったから、それ以上は細かく聞かないけど、この中でどのシーンとか衣装とかが特に好きなの?
長 アロハロ!4で「元気ピカピカ」を水着で歌い、踊っているシーン。普通に歌って踊っているから、いかにもグラビアという仕草とかポーズじゃない訳よ。そうすると鍛え上げられた筋肉がくっきり見えて、これがもうたまらん。
黒田 筋肉フェチかよ!
長 どの作品、どのシーンも、ちらりズムを感じさせるシーンがあったり、何とも女性らしい恥じらいを感じさせるポーズ、表情があったり、愛ちゃんのコケティッシュな魅力が満ちあふれていて、簡単には絞れないっす!たとえば「Figure」で紫色のビキニを着て・・・
白井 もういいから(笑)。それより高橋愛以外のメンバーの作品についても簡単に語ってくれよ。
黒田 「夏海」をまだ開封すらしていないことがばれるからだめらしい(笑)。
■ ハロプロ?大賞2010 楽曲部門
- 永縁 前田有紀 ミアネヨ 〜ごめんなさい〜
- 泣き出すかもしれないよ モーニング娘。 女が目立って なぜイケナイ
- メロンティー メロン記念日 MELON'S NOT DEAD
- 雨上がりの虹のように 安倍なつみ 雨上がりの虹のように
黒田 なんか一瞬めまいがした気がするが、落ち着いて2位以降から見ていこうか。
白井 今年の対象曲は去年よりは減少、ただし2008年よりは多い、という感じ。まあ娘。が2枚アルバムを出したのに救われた感じかな。
長 娘。の曲はアルバム曲もシングル曲も両曲揃いなんだけれども、逆にこれ一曲というのが案外難しかった。
黒田 で、カップリングの「泣き出すかもしれないよ」なの?
長 この曲、ヴォーカルレスでコーラスをしっかり聴けるようにしたバージョンがあって、これがとてもいい。コーラスの声が透明感があって、優しくて、なんだか泣けるの。
黒田 えーと、この曲のコーラスって誰?
長 高橋愛。
黒田 あっそ。
長 メロンティー。本来は去年の分なんだけれども発売がいくら何でも直前過ぎて入手できなかったので、今年分に。これはメロン記念日のよいところがきっちり出ている良曲だね。
黒田 それでも同じアルバム収録曲なら昨年度対象の「青春・オン・ザ・ロード」とか「DON'T SAY GOOD-BYE」の方が好きなんでしょ?
白井 なんだ?せっかくのなっち曲が4位?。
長 いい曲ではあるんだけれど、ちょっとまったりしすぎな感じ。もっと起伏のあるドラマチックな曲の方が安倍なつみの表現力に見合っている気がする。いい曲ではあるんだけどね。
黒田 問題は1位だよ。何?この曲。誰が聞いているんだよ。
長 俺。
白井 演歌のシングルのそのカップリングだもんなあ。たぶんこれ読んでいる人でこの曲聞いた人は一人もいないだろうなあ。
長 俺が聞いているからいいの。静かでともすれば単調なメロディーなんだけれども、ささやくような歌唱の中に強い情熱が潜んでいることが伝わってくる。圧倒的な歌唱力のなせるわざともいえる。
白井 で、久々に藤本美貴の2008年の曲「遠い恋人」を聞き直しているという(笑)。確か作曲が同じ人だったと。
長 選から漏れた曲についても簡単に。モーニング娘。シングル「女と男のララバイゲーム」。これはライブバージョンが圧倒的にいいな。愛ちゃんのタメ。アルバム「10 MY ME」収録の「Loving you forever」。これは珍しく歌詞で泣ける。「君と出会い、君を愛したね。当然のように愛した」。このフレーズ。「10 MY ME」は高水準の曲が多すぎて、逆にこの一曲というのは難しかったけれど、とりあえずこの曲。
黒田 「元気ピカピカ」のPVを相当回数見ていたみたいだけど?そう、あの水着のやつ(笑)。
長 それは別ジャンル。
白井 「Fantasy! 拾壱」は「10 MY ME」以上にまとまりがよくて、ますますこの一曲というのは難しかったね。
長 「Fantasyが始まる」。メロディもドラマチックでかっこいいし、高橋愛のフェイクがすばらしい。「女心となんとやら」。新垣里沙のかっこいい歌い回しがとてもいい。「I'm Lucky girl」。メロディーもキャッチーだし、メンバーおのおのの歌唱の特徴がいい感じで出ている。「愛しく苦しいこの夜に」。亀井絵里卒業曲として珠玉。せめて最後の横浜アリーナで歌ってほしかった。「電話でね」。高橋愛ソロらしい「変な」曲。最初はぴんとこないのだけれども、聞き込むと「なるほど」と思う。
白井 それ以外の曲もどれも味があって、本当に捨て曲がないアルバムだった。アルバム賞としては文句なしでしょう。
アルバム賞 「Fantasy! 拾壱」
黒田 あ、ここでどさくさにアルバム賞を発表しちゃうんだ。
■ ハロプロ?大賞2010 全体総括II
黒田 じゃあ、さっさとMVPの発表から行こうか。
白井 最初にMVPからやるの?
黒田 高橋愛大賞なんだからMVPは最初から決まっているしね。
長 待て待て。だから高橋愛大賞じゃないって。ハロプロ大賞。ハロプロ全体を客観的に俯瞰して、その活動を評価しようという賞なんだから。
黒田 君の頭の中に客観性が保持されていたことはただの一瞬もないよな。
白井 まじめな話、見ている活動にも偏りがありすぎるよ。今年一年の支出額の集計表を見てあきれた。モーニング娘。、愛ガキなどを含めて高橋愛がらみの支出が全体の74%。これはもう「単推し」と言っていい状態だな。
長 だ〜か〜ら〜、モーニング娘。はモーニング娘。でしょうが。個人名では未だ安倍なつみがトップだよ。
白井 娘。名義じゃなくても、高橋愛個人名義と高橋愛・新垣里沙名義をあわせれば、安倍なつみを上回るんだが。
長 そういう足し算は意味がない。愛ガキは愛ガキ。
白井 MVPはとりあえず置いておいて、支出額合計がまたずいぶん増えたものだ。その中でも交通費とグッズへの支払いがものすごく増えている。
黒田 去年は山梨まで行ったのに、今年は福井とか静岡とかぐらいでしょ、地方は。何で交通費がそんなにかかるのさ?
白井 横浜を含む関東圏に行きすぎだね。特に秋以降、何回いってんだって感じ。
黒田 グッズは?
白井 DVDはしょうがないとして、写真ものを買いすぎだね。どうせあとから見もしないくせに。
長 MVPを決めるってコーナーで何人の財布の中を覗いてんだよ?
黒田 じゃあ先に行こうか。
長 MVPを決めるんじゃなかったのかよ!
■ ハロプロ?大賞2010 全体総括I
長 まずは今年一年を振り返ろうか?今年はハロプロにとってどんな一年だった?
白井 ハロプロを振り返る前にまず君の嘘つきぶりを確認するべきだろうな。
長 は?
黒田 そうそう。去年土壇場まで「一推しは安倍なつみ」を言い続けた。我々がさんざん「推し替え」済ませているはずだと詰め寄ったのに。結局一推し高橋愛になってるじゃねえか。
長 推し替えをしたのは今年冬じゃないか。
白井 いやいやいやいや。別にそのとき特別な何かがあった訳じゃねえだろ。単に現状を追認しただけだよ。
長 いやいやいやいや。今年の活動をいろいろ見ての「推し替え」なんだから、去年のあの時点で「安倍なつみ一推し」は嘘ではなかったんだよ。
黒田 ほおーーーーー?君は高橋愛が安倍なつみを上回っているところはエロさだと言ったよな。高橋愛が今年新たにやった活動である朗読劇も即興劇もブログもエロくないじゃん。
長 だからだね、最終的には愛ちゃんイメージビデオ「Figure」のBlu-rayをみて、だな。その前にはドラマで緊縛シーンがあったりとか、デジタルブックスが3回も愛ちゃんが登場したりとか、モーニング娘。名義で出したアロハロ2010の水着が愛ちゃんの露出が特に大きかったりとか、まあそういうのの積み重ねで、だな。
黒田 そっちかよ!
白井 嘘つきの汚名を逃れるためにただのエロ親父の汚名を進んで被る君の姿勢には感服したよ。
長 いやいや、エロスの追求は大事なことだよ。ツアー目標を「エロ可愛く」とするとか、ライブ中の振りでスカートがめくれるシーンで客が歓声を上げるのを聞いて「(気持ちが)あがる」と言ったり、写真集のために痩せすぎないようにしているとか、きちんと狙ってやっているところがいいんですよ。ハロでエロスを狙ってやるというと石川梨華、岡田唯、三好絵梨香の美勇伝とか松浦亜弥、藤本美貴のGAMとかあるけれど、あの辺はどっちかというと制作サイドが狙っているだけ。自身で狙ってってのは後藤真希に次いで、愛ちゃんが二人目ぐらいじゃないのかな?しかも狙っている方向が「モロ」のエロさじゃないところがいい。表現においてエロスを狙う、というと「セックス(性行為)」表現に近づくことが多いけれど、それじゃ言っちゃ悪いがアダルトビデオの後追いみたいなものだ。高橋愛の表現するエロスはそうじゃない。その方向で言えばせいぜい高校生のスカートめくりレベル。行き着く先が「性器」そのものではなくて、チラ見し、させるという関係の中に生起する男女間の感情、「精神」なのだよ。「見たいの?」「見たい!」「へえ(笑)。そんなに見たいんだ。ばっかみたい(可愛い)」。
黒田 高校生がスカートめくりなんかしないでしょうが。なんか高尚っぽくものをしゃべっているけど、結局言っていることは「成人の性」を避けて、幼稚な性表現にすがりつくという君のロリコンぶりを露呈しているだけじゃないのか?
長 24歳の女性のエロス表現をほめて、ロリコン扱いされるとは思わなかったよ。
白井 年齢は関係なかろう。高橋愛は童顔だし、言動からどこかしら子どもっぽいところがあるし。というか一回り以上年の違う「アイドル」のエロスを語っている時点で・・・。
黒田 そもそもいい年扱いたおっさんが「愛ちゃん」とか言ってる時点で終わってるだろ。
長 いやいや、始まっているのさ。
■ ハロプロ?大賞2010 開会の辞
長 ここを更新するのも久々だな。
黒田 なんかかび臭いんだが。ちょっとは掃除しろよ。蜘蛛の巣がはってるし。
白井 で、今日は何で集まったんだ?まさか?
長 言うまでもなく、ハロプロ大賞をやるのだ。
白井 やるのかよ!
黒田 だから高橋愛大賞だろ?
長 いやいやいやいや。
2010年09月19日
■ モーニング娘。コンサートツアー2010 秋 ライバル・サバイバル 初日
たまたま仕事で東京に来ている翌日がモーニング娘。ツアー初日。セットリストが分からないどきどき感というのがよいようで、初日ファンというのはかなり多い。またハーモニーホール座間という比較的小規模のホール。関東圏初日で、キャパも少なめということで、ダメ元で申し込んだ昼公演チケットに当選してしまった。娘。ツアー初日に行くのは初めて。もっとも私はセットリストはある程度予習して、臨みたい方なので、初公演というのは実はそれほど嬉しくはない。セットリストの善し悪しみたいな余計なことも考えてしまったり。
渋谷近辺での仕事を終え、そのままその周辺で宿泊。8月10日、安倍なつみバースデーライブで止まったのと同じホテルを取る。もう少し会場寄りに宿泊しても良かったが、あれこれ考えるのも面倒だった。
チェックアウト時刻ぎりぎりになって、宿を出る。東急から小田急を乗り継いで、相武台へ。iPod touchの地図機能を頼りに会場着。すでにグッズ列が出来ている。何となく並んでいたら、グッズ列がそのまま入場列に。ラッキーなことに入場列最前になる。娘。ツアー初回公演に一番入場。だから何?といえばそれまで。
娘。の水着姿が拝めるというカレンダーを含め、ごちゃごちゃと購入。ちなみに最近の水着連発はあまり快くは思っていない。思っていないが、それでも見たいと思ってしまう、それも性。
亀井絵里、ジュンジュン、リンリンが卒業、そして次のメンバー選定のオーディションが始まるとあって、娘。自体が大きく変わるかも知れない狭間のツアー。必ずしも後ろ向きな意味ではなく、次の娘。は新生娘。のファンに、という気もしていて、私としても一定の区切りにもなり得るツアー。
事前にセットリストが合計4種類あるという情報が流れ、少なくとも昼夜二公演見ないとセットリストの全容も分からないよう。そういうこともあって、チケットを持っていない夜公演も見てみたいとの思いがあったところ、昼公演終了後、当日券販売列の前を通りかかるとファミリー席を売っているという。希望者多数なら抽選と書いてあったが、抽選なしでチケットを買えるという。ついつい購入してしまう。購入後に慌てて、帰りの足を調べる。最終のぞみにぎりぎり間に合いそうだが、最終列車は混む。ぎりぎりに滑り込んでも座れないかも知れない、とか考えると、つい安きに走ってホテルを押さえてしまう。
そんなこんなで見た昼夜二公演。想像以上に昼夜でセットリストが変わっていて、二つでワンセット状態とも言える。そういうのはあまりいいとは思わないが。私にとって今ツアーの最大の山場たる高橋愛・新垣里沙のソロを両方見たければ2公演セットで見るしかない。それが一番残念。
昼公演。中盤までに6期におのおのソロがあり、6期曲「大きな瞳」も入っている。5期は?と少しさみしく思っているところでなんだか妙に懐かしいメロディーが。すぐに曲名が思い出せない。そして出てきたのが高橋愛。その段階でまず思ったのが、なるほど、この部分が昼夜で高橋愛と新垣里沙で入れ替わるのだろうな、と。5期は2公演でソロがそろうのか、というのが分かって、またさみしくなった。そういう余計なことをライブ中に考えてしまうのが、初日の欠点。
どこか懐かしい、静かなのに深い情熱を感じるこの曲は後藤真希のシングル曲「スッピンと涙」。曲名を思い出すのに若干時間がかかったのは私の記憶力のせい。後藤真希の曲だと思い出せないうちから、とてもしっくりとはまっていた。艶やかな声が、後藤真希を彷彿とさせて、しかし、それよりも少し落ち着いて、少し乾いた感じも出ていて、とても良かった。
一方夜公演。高橋愛ソロを聴きたい気持ちと、でも新垣里沙ソロも聴きたい気持ちと、そして昼夜のセットリストの変わりぶりからして、ここは新垣里沙だろうと確信しつつそのときを迎える。イントロ。これまた懐かしいような、しかしとてもなじんだメロディー。こちらはすぐに曲名が分かる。安倍なつみのアルバム曲「夕暮れ作戦会議」。さすがに安倍なつみのアルバム曲を今の娘。ファンのどれだけが知っているのか、と微妙に疑問に思いつつ、私にはよくよくなじんだ曲に聴き入る。新垣里沙の声は安倍なつみの声のかわいらしさや艶やかさとはまた違ったものだが、しかし、実に良くはまる。声質は全然違うのに、やはり安倍なつみの「後継」はガキさんだ、と改めて思う。
この5期ソロ曲を山場に、娘。曲において高橋愛の跳んだりはねたり、ちょいエロな衣装・踊りを楽しむのが今ツアーの楽しみ方となるだろう。願いとしてはガキさんの聞かせどころがもっともっと欲しい。あとリンリンの歌唱力を見せつける部分がないのも残念無念。
2010年09月12日
■ 「私の頭の中の消しゴム」
ブログへの更新意欲を失ってだいぶん経った。その分Twitterにいろいろ垂れ流しているわけだが、ある程度まとまった文章を書こうという気にはならなかった。安倍なつみ出演の舞台「リトルショップオブホラーズ」、モーニング娘。出演の「ファッショナブル」もスルーしてしまった。特に「リトルショップオブホラーズ」は書きたいこともあったのに。安倍なつみのバースデーライブまでスルーしてしまった段階で、もはやブログを更新することは出来ないのではないか、と思った。そのぐらい「インターネット」と「ハロプロ」という組み合わせに嫌気がさしていた。モーニング娘。を、インターネットにおいて少しでももり立てようという気がなくなった。モーニング娘。メンバーブログにコメントすることさえなくなった。
そんな荒んだ気持ちの中で、再びブログを更新しようという気になったのは、ひとえに高橋愛の演技である。朗読劇「私の頭の中の消しゴム」。準備期間もさほど長くはなく、また朗読劇という限られた表現形態、どの程度期待して良いものかと多くのファンが思っていたことと思う。後出しもいいところだが、私はしかし、密かに期待するものはあった。「ファッショナブル」よりも実を言えば期待していた。理由は自分でもしかとは分からない。
まず最初に断っておく。私はこの作品の物語自体は評価していない。三流昼メロドラマレベルだ。「ファッショナブル」も大概だと思ったが、この作品は、みる前から、全く期待はしていなかった。恋愛ドラマにおいて「死」をちらつかせる手法は全く持ってあざとい。もちろんそういう設定に乗ってもなお、一定の工夫というのはあるもので、この作品においても結末にはちょっとしたひねりがある。しかしそれを覆う前提が、あからさまに観客に涙を流させることを目的としているために、あざとさの印象が先に出てしまう。
この作品で見るべきは役者の演技であり、またそれで十分なのだ。「朗読劇」という限られた表現の中で、ほぼ声と表情だけで勝負をする。そうした役者の「戦い」を堪能する。そういう舞台なのだと思っていた。
序盤。ちょっと勝ち気な女の子。ぶっきらぼうな男性に出会い恋をする。勝ち気さ、そして恋心。問題ない。及第点。コミカルなシーンが何度か。余計な演技をせずに、さらっとかわいく。それでいい。そして幸せな結婚生活。夫の自分を捨てた母親への憎しみを無くさせようと献身的に尽くす。高橋愛ならこのぐらいはやるでしょという演技。
中盤。自分の病気を知り苦しむ。時折ヒステリックな叫び。時間が経つにつれて少しずつ激しさが増す。こうした激しさは、今までの彼女の演技ではあまりなかったものだ。想定の範囲内ではあったが、しかし、やはり演技において非凡なものがあるのを確認する。
終盤。病状が進行。記憶がどんどん失われ、精神的に子どもに返っていく。美しく、かわいく、幼く、それだけに悲しく、残酷。積極的な演技をしてはこうしたものは出てこない。むしろどんどん引き算をしていく演技。それが出来ている。すごい、と思った。「素晴らしい」という評はこういうときのために取っておくべきなのだ。高橋愛のこれまでの演技を「素晴らしい」と評さずに良かった、と思った。
記憶が失われ、仕事に出かける夫を見送るときに、いう言葉。「行ってらっしゃいカズヤさん」。カズヤというのは夫と出会う前に付き合っていた不倫相手の男性の名前。新しい記憶から失われる、強い印象のある記憶は残る。この記憶忘却の順序の中で、「前の男」の名前を呼ばれる夫の苦悩。そんな残酷きわまりないシーンで、しかし「カズヤさん」と呼びかける高橋愛の笑顔の無邪気なこと。目には生気はなく、どこかしら眠たそうで、相手に依存しきっていて、まるで赤ん坊のようなほほえみを浮かべて。
夫の前から姿を消して、施設で過ごす。症状は進み、記憶はほぼ失われ、精神的な死を迎えつつある。その場所を夫が見つけ、再会する。呼びかけるが帰ってくる返事は「初めまして」。そしてひたすらスケッチブックになにやら描き続ける。そのときの高橋愛演じる女性は魂を抜かれている。うっすらとほほえみを浮かべているが、感情はない。感情はないのに、そのほほえみがとても悲しい。夫もまた無の精神をみるしかない。もはやつかみ所もない。かつて「カズヤさん」と前の男の名前で呼びかけられた記憶がよみがえるのみ。
その残酷で絶望的なまでの無のほほえみがあったればこそ、ラストが生きるのだ。もはや記憶を失ったはずの妻の書いていた下手くそな絵。それが、出会った頃の自分の姿であることに気づく。無になったはずの妻の心の中に、自分がいた。自分だけがいた。それがこの作品最大の見せ場である。
2010年05月03日
■ ガキ亀さゆ
今ツアーでの高橋愛以外のメンバーの印象をつらつらと。といっても例によって高橋愛ばかり見ていたので、たまたま目についたメンバーについてだけ。触れられないメンバーは関心がないわけではなく、たまたま。私のライブ鑑賞辞書に「公平」「客観」という文字はない。
道重さゆみ。メンバーでは珍しい黒髪。長く伸ばしたその黒髪をたなびかせて踊る姿は実にかっこいい。可愛いというよりもかっこいい。なんということだ。
化粧も他メンバーと比べてナチュラルメイクに見える。それだけに幼くも見えるのだが、その顔の幼さと、そして踊りのどこかしらぎこちなさが、しかしなぜか未熟さではなく、かっこよさに転化するという不思議。特に「大きな瞳」でのパフォーマンスには目を奪われる。
またこの人は確かに高橋愛のフォロワーなのだ、とも思わされた。曲中の表情の作り方。高橋愛と並んで、曲ごとに表情を作ろうとしている。その曲の登場人物になりきろうとしている。今のところメンバーでそれをやっているのは高橋愛と二人だけ。
バラエティの道重さゆみしか見ていない人には、是非ライブでの道重さゆみを見てもらいたいと思った。とてもストイックにがむしゃらに、ステージパフォーマンスに賭けている姿が見られる。
亀井絵里。彼女のキャラに合わせて、これまでに提供されたソロ曲などはほわっとしたかわいらしいものが多かった。私はそれを残念に思ってきた。しかし今ツアーでの亀井絵里の歌声には渋さがある。低音をどっしり響かせる。元々定評あるダンスは、運動神経を生かしてダイナミック。でもMCになれば、またいつものぼけぼけの亀ちゃん。この落差、それがいい。
新垣里沙。最大の見せ場、というより聞かせどころは高橋愛とのデュエット曲「あの日に戻りたい」。
この曲は二人の声質の違い、そしてそれも含めて表現される世界の微妙なずれのようなものがおもしろい。題名のごとく過去の恋愛を振り返る歌。高橋愛はみずみずしく透明感あふれる声でしっとりと歌う。いまだに相手への思いがリアルに生きており、その相手へかつてと同じように甘えたい気持ちも残っている。まだ「女の子」をしている。過去と、そして今も生きている「恋」の歌。
一方新垣里沙は少し乾いた声。じっくりと自らに語りかけるように歌う。過去の自分への後悔の感情、相手への思いはもはや「恋」としては生きていない。それをできなくしたのは自分の振るまい。それを受け止めつつ、なお相手へのつきることない思い。恋が終わった後の「愛」の歌。
しかしそれでは終わらない。「春だよというのに、震えてる私」のところで突然強い感情が発露され、何とも言えない艶っぽさが出る。かつての、相手に甘えられていた「女」としての弱い部分が隠しきれなくなったような。
新垣里沙の歌は声量音程とも申し分なく、また包み込むような優しさにあふれた表現力も秀でていた。ただ一点、艶っぽさだけがあまりない、と思っていた。しかしこの曲の、一瞬の、しかしにじみ出るようなこの艶やかさ。これだ、と思った。
安倍なつみ。まさに安倍なつみと同質の表現をこの曲の新垣里沙の歌唱から感じ取った。力強さと弱さと、人間愛と切ない恋心と。高橋愛のエロさと可愛さとはまた違ったベクトルのこの落差をこそ私が新垣里沙に求めていたものだった。
もっと新垣里沙の歌を聴きたい、と思った。たとえば「Loving you Forever」を新垣里沙ソロで聞けたらどんなによいだろうとも思った。バックの音がいまいちな娘。コンではなくて、生演奏で、大胆なストリングスの音色が混じるアレンジで、新垣里沙の歌を聴けたらどんなにすばらしいだろう。
それを思い出すと、「音」の部分では今の娘。コンではやはり何とも物足りなく感じてきた。もっと贅沢な音の世界に耽溺したい。娘。コンは視覚的にはすばらしい。でもそれだけでは満たされないものが絶対的に残っている。ああ、なっちライブに行きたい、と思考はあらぬ方向に向かってしまった。簡素な舞台装置、衣装もシンプル、なのに終わってみればおなかいっぱい、この感覚は今の娘。コンでは味わえないものだ。そして新垣里沙ソロライブがあれば、なっちコンと同様のこの感覚が味わえるのではないか、と思ったのだ。
きわめて蛇足ながら、高橋愛ソロライブがあれば、満足感・満腹感ではなく、一層の飢餓感を煽られることになるだろう。それもまた一興。
■ 生まれついての舞台人
しつこく引っ張る。今回ツアー冒頭の全身ピンクにウサギ耳の衣装。同い年の松浦亜弥が着ている姿なんて想像もつかない。それを当たり前のように着こなす高橋愛。そんな衣装を着ることに何か思うことはなかったのだろうかと思っていた。
どうやらあったらしい。
といっても、元々は何とも思っていなかった(ようだ)。ところが地元公演で中学時代の友人と楽屋であった際、「高橋、マジ?」と突っ込まれ、とたんに「大丈夫なのかな?」と心配に。
しかしステージに立って、客から声援を受けて、大丈夫なのだと再確認。
表現者、舞台人としてはとにもかくにも前向き。(年齢的に)可愛すぎる衣装も、逆にエロい衣装も、全部ノリノリ。しかしプライベートで親しい人から突っ込まれるととたんに個人としての感覚が目を覚ます。元来のシャイな部分が出てくる。目立つのが苦手、自分をさらけ出すのがきらい。
しかしまた舞台に立てば、一気に自信を取り戻し、表現者としての自分を最大限に見せびらかすことに余念がない。
この人は、そういう場面になれば、キスシーンだって、ヌードだって、何だってやれる人だと思う。アップフロントにいる限り、キスシーン止まりで、ヌードになることはないと思うが。それを残念と思うか、よかったと思うかは人それぞれ。私個人は高橋愛本人がノリノリでやる限りはなんだってあり、だが、どうしても裸を見たいというわけでもない、ということもない、わけでもない。
■ 深淵
ライブやらメンバーのブログ写真やらを見ていて、ますます高橋愛という人がわからなくなってきた。
ライブ冒頭のピンク衣装にウサギ耳、きょとんとした表情は幼ささえ感じさせる可愛い可愛い女の子。
衣装替えの後の露出度の高い衣装で登場して、ちょっとエロ目のダンスを踊る姿は妖艶に成熟した大人の女性。表情の作り方から、腰の振り方から、一切手抜きなし。歌パートじゃないところのダンスの全力っぷりがすごい。
ライブ終盤、Tシャツにジーンズ姿、ステージ狭しと駆け回り、スタンドマイクを抱えて歌ったり、田中れいなとふざけたふりをしたり姿・表情はいたずらっ子な少年のよう。メンバーブログに掲載されているメンバーとふざけている姿もまたいたずら少年の顔。元気いっぱいの少年。
MCでまた噛んだりしないだろうかとすこしおどついたり、少し口を滑らしてへこんだりしている様はナイーブな少年の姿。気の弱い、傷つきやすい少年。
これまたメンバーブログに掲載されたライブが終わって髪を乾かしている姿。片足を上げてくるぶし丸出し、長い髪を豪快にかき上げる姿は捌けた大人の女性にも見えるが、どこかおっさんの姿にも見える。
リラックスしているときに出る、訛りの抜けない、そして少し口の悪いしゃべりは完全におっさんが入っている。いっぱい引っかけた田舎のおっさん。
ステージに立つと恥ずかしげもなく、露出度の高い衣装にエロティックな激しい踊りを挑発的に披露する威風堂々たるパフォーマーでありつつ、自分語りの場面になるととたんに少し早口になり、シャイな性格が丸出しになる。
いったいこの人は何なのだろう。老若男女、何個の人格を持っているのだろう。
全くわからない。