ライティング実習2A 12組

2024年度 前期 木03 13:30-15:00 瀬田3-B104

1-08 論理レベルの調整をする

抽象的な概念は意味範囲(coverage)が広く、一般性を持ちやすい。具体的な概念は意味範囲が狭く、個別的な物になりがちである。その一方で抽象的な概念は属性情報の量は少なく、具体的な概念は多くの属性情報を持つ。

この一般・抽象と個別・具体の階梯を論理レベルと呼ぶことにする。

図:論理レベル
個別・具体→一般・抽象

cf.学術的文章とは

概念の論理レベルを合わせる(復習)

[概念]問1 用語

指定のパワーパターンで語句を並べよ。

解答例

  1. 昆虫(    )(    )(    )
  2. 夏を感じるもの(    )(    )(    )
  3. 著名な社会学者(    )(    )(    )
  4. 日本国()国民主権()平和主義

[概念]問2 並置

以下の文の問題がある箇所を修正せよ。

  1. このたび弊社が開発した多機能FAXにはFAX送受信機能、通話機能、プリンタ機能、スキャナ機能、高速印字機能が搭載されております。

    解答例

    ※「プリンタ機能」と「高速印字機能」がダブっている。論理レベルにおいては「プリンタ機能」が他の機能と同レベルなので、「高速印字機能」は削除する。

    このたび弊社が開発した多機能FAXにはFAX送受信機能、通話機能、プリンタ機能、スキャナ機能が搭載されております。

  2. 人文・社会科学分野に含まれる学問としては歴史学・教育社会学・文学・経済学・法学などが挙げられる。

    解答例

    ※教育社会学は他の項目よりも個別具体的である。「社会学」なら「歴史学」「文学」などと並列である。

    人文・社会科学分野に含まれる学問としては歴史学・社会学・文学・経済学・法学などが挙げられる。

[概念]問3 箇条書き(docx形式)

以下の箇条書きの問題点を修正せよ。

解答はWordの箇条書き機能を用いて作成せよ(Wordの操作技術の復習も兼ねた課題である)。

大学生活においてパソコンを使う場面を列挙してみよう。

  • レポート作成
  • サークルの名簿管理
  • アンケート結果集計
  • 採用担当者とのメール
  • ツイッター
  • 文書作成
  • サークルチラシ作製
  • ゼミのレジュメ作成
  • webでの就職情報収集
  • Facebook
  • メールでのバイト日程調整
  • 家計簿作成
  • SNSでの情報交換
  • webでゼミ課題情報収集

スマートフォンでは代用できないことも多いので、パソコンは使えるようになった方が良いだろう。

解答例

※項目ごとの論理レベルが揃っていない。

  • データ管理
    • サークルの名簿管理
    • アンケート結果集計
    • 家計簿作成
  • 文書作成
    • レポート作成
    • サークルチラシ作製
    • ゼミのレジュメ作成
  • web閲覧
    • 就職情報収集
    • ゼミ課題情報収集
  • メール
    • メールでのバイト日程調整
    • 採用担当者とのメール
  • SNSでの情報交換
    • Facebook
    • ツイッター

文単位の論理レベルを調整する(「パワー・ライティング」)

[文]問1 パワーパターン

以下の各文章のパワーパターンを記せ。

  1. 当社が掲げる目標は、「常により効率の良い、環境にやさしいオフィスを作る」ことです。さらに当社は社員同士のコミュニケーションが円滑になることを重視しています。社員のみなさまが働いて楽しいと思える職場作りが当社の理想とするところです。

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  2. 当社が掲げる目標は、「常により効率の良い、環境にやさしいオフィスを作る」ことです。さらに当社は社員同士のコミュニケーションが円滑になることを重視しています。そのために部屋の仕切りをなくし、自由に使える談話スペースを各階に複数設置いたしました。

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  3. 当社が掲げる目標は、「常により効率の良い、環境にやさしいオフィスを作る」ことです。これまでに、五つの要素から検索ができるファイルシステムを構築し、事務作業の効率化を図りました。さらに、ドキュメントスキャナを導入して「紙のない」オフィスを目指しています。

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  4. 社員同士でのメールでのやりとりは廃止し、グループウェアを用いて情報共有しています。また五つの要素から検索ができるファイルシステムを構築し、事務作業の効率化を図りました。さらに、ドキュメントスキャナを導入して「紙のない」オフィスを目指しています。

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  5. 小学校からの英語教育は進められるべきではない。まず、英語よりも日本語を学ぶことのほうが、多くの日本人にとって重要だということが挙げられる。また、小学校での英語教育がかえって英語に対する苦手意識を育ててしまうかもしれない可能性も無視できない。最後に、現時点では小学生に英語教育をすることのできる教員が十分に育成されていないことが指摘できる。

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[文]問2-1 パワーライティング1

下記文章について、各段落が122のパターンになるよう、文を追加せよ。

2014年11月に行われた「死刑制度に対する意識調査」では「死刑は廃止すべきである」が9.7%であるのに対して、「死刑もやむを得ない」は80.3%という結果が出ている。こうした世論の後押しを受けて日本では死刑制度は維持され、「死刑廃止を推進する議員連盟」の参加議員数も30名程度に止まる。

国連加盟国196カ国中、102カ国が死刑制度を完全に廃止している。平時の死刑廃止国や法的には存置されていても死刑執行を長期的に停止するなどの実質的な死刑廃止国を含めると140カ国にも及ぶ。

[文]問2-2 パワーライティング2

下記文章が1233のパターンになるよう、文を追加せよ。

学生はお互い教えあうことによって英語力を伸ばすことができるのである。英語が苦手な学生だけでなく、英語が得意な学生も、他の学生を助けることを通じて学ぶことができる。学生同士で学びあうシステムができれば、教室の外でも学びは続く。

[文]問2-3 パワーライティング3

下記文章が1232323のパターンになるよう、文を追加せよ。

少子化を食い止めるためには保育のシステムを見直すべきである。祖父母が近辺に住んでいない場合、保育園の支援なしに3人、4人の子供を育てることは大きな負担になるからである。一例だが、現在でも、都内の多くの保育園は、毎週昼寝用の布団を持ってくることを保護者に義務付けている。第三に、保育を必要とする日だけ保育園に通わせるシステムにするのが望ましい。園児が必ず週5日保育園に行くことが前提とされているため、受入体制に余裕がないのである。

パワー・ライティング実践1

パワーパターンで「ジャンケン」をテーマに自由に文を作成せよ。

解答例

ジャンケンの勝敗は双方の出した手によって決する。パーはグーに勝つ。グーはチョキに勝つ。チョキはパーに勝つ。ジャンケンの手は三すくみの関係にあり、どれを出せば有利ということはない。

パワー・ライティング実践2

パワーパターンで「パソコンとスマホの使い分け」について自由に文を作成せよ。

解答例

レポートを作成するときにはスマホではなく、パソコンを用いると良い。第一にパソコンは画面が広い。表示できる文章量が多いので推敲がしやすい。さらにマルチウィンドウで資料・データをみながら、レポートの執筆が可能である。第二にパソコンは入力デバイスが充実している。スマホのフリック入力よりもキーボードの方が文字入力効率は高い。またマウスは文字選択が容易で、文書編集の際の文字の切り貼りが容易である。