F検定
- 本章で用いる実習用ファイル
母分散の比較
B大学の学生の中から500人を無作為抽出を行い、スマートフォン利用時間について調べたデータからスマートフォン利用時間に関するジェンダーによる分散の違いを知りたい。
下記データより、B大学の男子学生と女子学生との間にスマートフォン利用時間で分散に差があると言えるか。
A | B | C | D | E | F | G | H | I | J | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | No | gender | faculty | time | 偏差平方 | male | female | |||
2 | 1 | female | science | 193 | 309.13 | N | 244 | 256 | ||
3 | 2 | female | law | 166 | 88.70 | df | 243 | 255 | ||
4 | 3 | male | science | 293 | 9261.70 | mean | 196.76 | 175.42 | ||
5 | 4 | female | literature | 135 | 332.61 | u2 | 2739.00 | 3475.26 | ||
μ国B大学スマートフォン利用時間調査データ |
分散の定義を改めて確認するため、偏差平方和と自由度から分散を計算してみる。
G | H | I | J | K | ||
---|---|---|---|---|---|---|
7 | F検定 | |||||
8 | グループ | 平方和 | 自由度 | 分散 | ||
9 | male | =SUM(IF(gender=G9,SDM)) | =COUNT(IF(gender=G9,1))-1 | =H9/I9 | ||
10 | female | |||||
F分布
二つのグループの分散は比率で比較する。
G | J | K | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
8 | グループ | 分散 | F | |||
9 | male | 2739.00 | =J9/J10 | |||
10 | female | 3475.26 | ||||
F(分散比) ← グループ1の分散 / グループ2の分散
平均差の時には二つのグループが一致したときは0となるが、二つのグループの分散が等しい時はF = 1となる。
この分散比Fを検定統計量とする確率分布はχ2分布由来のF分布である。F分布は各々のグループの自由度により形が変わる。
さらに自由度を増やすと
自由度が大きくなればF分布は正規分布に近似する。
F検定
- グループ1の分散がグループ2の分散より小さい値を取る確率(青色のついた部分の面積)をp値(F<1)とする。このp値が有意水準より小さいとき、「グループ1の分散<グループ2の分散」と言える(片側検定)。
- グループ1の分散がグループ2の分散より大きい値を取る確率(青色のついていない部分の面積)をp値(F>1)とする。このp値が有意水準より小さいとき、「グループ1の分散>グループ2の分散」と言える(片側検定)。
- グループ1の分散がグループ2の分散と異なる値を持つ確率(青色のついた部分の面積×2)をp値(F≠1)とする。このp値が有意水準より小さいとき、「グループ1の分散≠グループ2の分散」と言える(両側検定)。
I | K | L | M | N | ||||
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8 | 自由度 | F | p(F!=1) | p(F>1) | p(F<1) | |||
9 | 243 | 0.79 | =MIN(M9,N9)*2 | =1-F.DIST(K9,I9,I10,TRUE) | =F.DIST(K9,I9,I10,TRUE) | 10 | 255 | |