ライティング実習2A 12組

2024年度 前期 木03 13:30-15:00 瀬田3-B104

レポート例「大学教育とITについて」

大学教育とITについて

社会学部2回生 前田伶奈

はじめに

大学教育とITについてというテーマでレポートを書くことになって、ああ、いままでそういうことあまり意識したことなかったなあ、と改めて思った。ITといっても色々あって、全部を対象として議論をするのも難しい。テーマは絞った方がいいと先生からアドバイスもあったので、ITの中でもスマホに絞って議論を進めることにする。私にとってITといってもまともに使っている気がするのはスマホだけなのだ。パソコンは正直苦手だし、ほとんどの生徒もそういう人が多いと思う。私の周りの友だちも皆そういう感じだ。授業でメディアのテクノロジーの変化の影響の問題についていろいろ学んで、スマホについても大学生活にきっといろいろ影響があるはずだと思い、ちょっとそういう問題について真面目に考えてみることにも一定の意義があると思う。

今は当たり前のようにあって、無いことが想像できないスマホだけど、少し前はなかったわけで、無いときとあるときとではずいぶんいろいろ違っているんだろうなあと思う。そういうのが大学教育にどういう影響をあたえるかを考えてみることの重要性に鑑み、社会学的に考察しろというレポートの指示に従って考察を進めていく。

社会学

まずは社会学的に考察するってどういうことだろうというのが分からなかった。だからまずはWikiで調べてみた。社会学(しゃかいがく、: sociology)は、社会現象の実態や、現象の起こる原因に関するメカニズム(因果関係)を統計・データなどを用いて分析することで解明する学問である[1][2]。その研究対象は、行為行動相互作用といったミクロレベルのものから、家族コミュニティなどの集団、組織、さらには、社会構造やその変動(社会変動)などマクロレベルに及ぶものまでさまざまである。思想史的に言えば、「同時代(史)を把握する認識概念(コンセプト)」を作り出そうとする学問である。

改めて社会学という学問は難しいと思う。スマホが広まることで大学教育が何か変わるのが社会現象なのだろう。どう変化したかというのが実体で、そういう変化がなぜもたらされたのかが因果関係でそういうことを統計とかデータを用いて分析する必要がある。その変化というのがどの程度の規模なのか?生徒や先生の関係性に注目するのがミクロレベルで教育制度とか産業構造がどうとかまで考えるのがマイクロレベルなのかなと思ったけど、正直よく分からないし、間違っているかも知れない。それでそういう分析から何かしら概念を作り出すというのは凄く難しいと思う。

でもこのレポートではそこまでは求められていないらしくて、要するにスマホが普及することで大学教育がどう変化したのか、しなかったのかを量的・質的データを用いて記述すればいいということだ。

まずは授業中に紹介されたデータを用いて考察を進めてみる。朝椿大学での学生のスマートフォンによる学力への影響調査結果によると英語特訓合宿ゼミでスマートフォンを持った群と持たなかった群に分けて最終試験結果を集計したところ、スマートフォンを持った群の平均点と比較して、持たなかった群の平均点の向上という結果が得られたという。この点数差はヴェルテのt検定で優位らしい。というので意外なことにスマートフォンを持たずに合宿を過ごすより、もっていた方が点数が高いという結果が出たのだった。

これで試験勉強のスマホ使用の優位性についての確認というナレッジが得られたということらしい。これは一つの実験で一般化に関しては難しいらしいが、一つの事例としては興味深い。意味の分からない単語の意味を紙の辞書で調べるより、スマホやIT機器で調べた方が効率的だというのは考えてみれば当たり前かも知れない。でもこれについて見たとき、私も想像していたのち違って、ちょっと以外だと思ったし、実験をした先生も少し意外に感じたということだ。なぜそうなるかというと授業中にスマホを弄るのは大抵SNSとかTwitterとかやっているというイメージがあって、そういうのは悪いことだという常識で何となくスマホ全体が悪者になっているということなんじゃないかと思う。でも考えてみたら仕事をするにしてもそういう機器を使って仕事をした方が効率がいいからみんなそうしているのだと思う。

でも学校の先生の意見ではまだまだスマホを授業に活用しようという考えは少ないらしい。とくに小中高ではスマホを学校に持ち込むことを禁止している学校がまだまだ多数派だという。持ち込めるようにする動きもあるけど、それは災害対策とかそういうので学習にスマホを使おうというのはなかなか難しい。でもIT活用は求められているようで、学校が用意したタブレットは使っていこうという流れは出来つつあるらしい。でも生徒が自由に調べ物をしたりするのにはまだ警戒感があるようだ。授業で教えていないことを生徒が先取りして自分で調べてテストの解答に書くとかあまり歓迎されないという。あくまで先生が授業の主導権を握りたいからかなとか思った。

あとスマホを授業で使わないのはスマホを持っている生徒と持っていない生徒との格差問題があるという。デジタルデバイスというのが問題で、平等に教育を施すにはどうするかという問題がここには横たわっているという。だんだんマクロな話になってきて興味深いと同時に難しい問題である。

以上、結局自分の意見はまとまらなかったけど、スマホとかそういう危機を教育にどう使うのかというのは本当に難しく、色々考えることが多いように思う。私はスマホとかもっと学校でも自由に使えるようになった方がいい気がするけど、いろいろ難しいこととかいろんな意見があることも理解できた。社会のみんな、もっと色々考え、意見を交換していい結論を出す必要があるだろう。この授業をきっかけにITと教育の問題について考えられる機会を持てたのはとても有益なことであって、この授業を受けてよかったと思った。私もこれからもこの問題について色々考えていこうと思った。

参考文献

  • https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%AD%A6
  • 朝椿大学調査結果