パーソナルコンピュータの知的活用 コンピュータの誕生から70年が経過した。今日,パソコンや携帯電話の使い方を改めて勉強する必要がないほど, IT機器の使用ノウハウは,一般・大衆化してきた。いわゆる,情報リテラシーの普及の向上である。一方で,革命的とも云われるこれらIT機器の使い方や評価に大きな乖離があるのも事実である。ともすれば,医者の無養生や紺屋の白袴の例えに似て,かなり精通した人が誤った使い方や評価をしている。特にパーソナルコンピュータとそこに導入されているソフトウェアの使われ方に,その顕著な傾向が見られる。 短い歴史の中に普及したIT機器,特にパーソナルコンピュータとソフトウェアは,時代の要求に相乗的変化を伴いながら,劇的にその機能を向上させてきたので,その使われ方においても,変化が伴うのも当然である。今,求められるのは,基本的情報リテラシーを越え,成熟したパーソナルコンピュータの知的活用である。 情報化社会を創出したITは,汎用性の高い技術として位置付けられ,あらゆる分野,特に人間の創造的活動に必要欠くべからざる機器として,使いこなす必要がある。この知的活用の原点は,その主体が私たち人間であり,IT機器が,私たちの豊かな創造活動を支援することにあることを忘れてはならない。