章タイトルとアウトライン
章立てのある論文の書式を設定するには
- 文書構造の記録(マークアップ)
- 文書諸要素の書式設定
- 見出し(章・節タイトル)に連番を振る
を組み合わせる。
ただしWordでは文書構造の記録と書式設定の機能が混在しており、またWordの機能名も混乱があるので、解きほぐして理解する必要がある。
本章では
- 番号付け(Numbering)・多段リスト(Multilevel Lists)…章・節タイトルに連番を振る
- アウトライン(Outline)…文書構造の操作
- スタイル(Style)…文書構造にもとづく諸要素の書式設定
の順番に説明する。
入力済みの論文に論文の構成(文書構造)に則した書式を整えたい。
まずは全体を段落書式(字下げ)に設定する。
番号付け(Numbering)・多段リスト(Multilevel Lists)
章タイトルと節タイトルに連番を振る。「多段リスト(Multilevel Lists)」を用いる。
- 1.章タイトル
- 1.1.節タイトル
となるよう連番を振ってみよう。
「アウトライン」はリストの書式を選択するためのメニューであり、実際にはそのとなりの「段落番号」の設定を行っている。
課題1:連番:例題(形式)
連番機能を用いて章タイトルを作成した文書ファイルを保存せよ。
文書構造とアウトライン(Outline)
文書の中のどの行が章タイトル・節タイトルであるかを示すために、前項では連番を付した。人間が視覚的に判断する上では(文書を印刷して見る上では)これが分かりやすい。しかし文書のどの部分が章タイトル・節タイトルであるかをデジタル情報として記録しておいたほうが、後に応用が利くことがある。
文書中の役割(章タイトル・節タイトルなど)をデジタル的に記録することを文書構造の「マークアップ」という。文書構造をマークアップするためにWordでは「スタイル」機能を用いる。そしてマークアップされた文書構造の概略を確認し、操作するために「アウトライン」機能が提供されている。
- アウトライン機能
- 文書構造をマークアップし(見出し限定)、概略を確認し、操作する
- スタイル機能
- 文書構造をマークアップし、書式を設定する
「スタイル」機能と「アウトライン」機能は協調して用いるが、今回はまずアウトライン機能を見てみよう。
改めて新規文書に入力済みの論文のテキストを貼り付ける。
文書中のみだし部分のみを表示させることもできる。それにより文書全体の概略(アウトライン)を確認することができる。
見出しの設定が終わり、文書構造の確認・修正が終わると「アウトライン表示を閉じる」。これて通常の編集画面に戻り、見出しがマークアップされた状態となる。
文書構造とスタイル(Style)の設定
段落番号の設定を含む書式設定と「アウトライン機能」で用いた文書構造のマークアップを組み合わせると、見出し書式などの文書の書式設定が効率的にできる。
改めて新規文書に入力済みの論文のテキストを貼り付る。
文書要素の指定は「スタイル」機能を用いる(「見出し」だけならアウトライン機能でも可)。
文書構造のマークアップが完了した。この後、各要素に適した書式を設定する。
- 「段落」は字下げ(設定済み)。
- 「見出し」に連番(段落番号)を設定する。
- 「見出し1」の一つの行(例えば「はじめに」)にカーソルを置き、[段落]グループの[アウトライン](リストライブラリ)より、好みのリスト形式を選択する。
- カーソルをそのままにして(「はじめに」の行にカーソルがある状態)、[スタイル]の「見出し1」を右クリックする。
- 「選択箇所と一致するように見出し1を更新する」を選択する。
- 「見出し2」の一つの行(例えば「論文の目的」)にカーソルを置き、[段落]グループの[アウトライン](リストライブラリ)より、上で選択したのと同じリスト形式を選択する。
- 「見出し1」と同じ作業(選択箇所と一致するように見出し2を更新)を行う。
- 「段落」「見出し」ほか、さらに書式を設定したい要素があれば、「スタイル」から該当要素を右クリックし、「変更」より適宜書式設定する。
- アウトライン表示にして、「見出し」のみ表示するように設定し、論文全体の流れ、書式の一貫性の確認をするとよい。
課題1:アウトライン:例題(形式)
本ページで作成されたアウトライン機能を用いた文書ファイルを保存せよ。
課題2:「社会学入門前期レポート」(形式)
入力済みテキストファイル「社会学入門前期レポート」を用いて、作成例:「社会学入門前期レポート」と同等の文書を作成せよ。
課題3:3-2練習問題 問題2「議事録」(p.52)(形式)
入力済みテキストファイル3-2練習問題 問題2「議事録」(p.52)を用いて、作成例:3-2練習問題 問題2「議事録」(p.52)と同等の文書を作成せよ。