Syllabus
講義概要/Course outline
学術的な場だけでなく、ビジネスの現場でも数値を根拠(エビデンス)とした状況分析・意志決定が重要視される。そのために用いる強力な武器が「統計」である。本実習では基本的な統計学をベースにしたデータ分析手法を取り扱う。
ツールとしては主として表計算ソフトExcelを用いる。あえてプリミティブなツールを用いることにより、各分析手法がいったい何を行っているのか、その分析の持つ意味を実感しつつ学習を進められるようにする。
到達目標/Attainment objectives
統計に関する基本的なリテラシーを身につける。
- 統計は何をどこまで説明できるのかを把握する(統計「詐欺」に騙されないように!)。
- 統計的にものを考える「構え」を持つ。
- 分析結果から結局何が言えるのか、結果を読み取る力を身につける。
講義内容
データの概略を知る1(基本統計量)(9/24)
- 社会調査
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- 量的調査と質的調査
- 全数調査と標本調査
- 量的データ・質的データ
- 記述統計と推測統計
- 基本統計量
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- 代表値
- 分散・標準偏差(cf.標本分散から,標本不偏分散へ)
- 資料・課題
データの概略を知る2(ヒストグラム)(10/1)
- ヒストグラム
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- 区切り幅の設定
- 度数分布表
- ヒストグラム
データの概略を知る3(箱ひげ図)(10/8)
- PERCENTILE関数
- 積み上げグラフ+誤差範囲
データの概略を知る4(データの重み付けとSPSS)(10/15)
- 加重平均
- 統計ツールを用いたデータ分析1(「基本統計量とデータの分布」)
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- Excel分析ツールを用いて基本統計量を求める
- SPSSを用いて基本統計量を求める
- データの重み付けの扱い
- 資料と課題
「差」はあるといえるのか1(平均値に関する推定と検定)(10/22)
- 推測統計と検定
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- 帰無仮説と対立仮説
- P値と有意水準
- 無作為抽出
- 資料と課題
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t-test.xlsxt検定説明資料に差し替え
「差」はあるといえるのか2(平均値に関する推定と検定)(10/29)
- 正規分布とZ検定
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- 中心極限定理と正規分布
- 分散、標準偏差、標準誤差
- 検定統計量とP値
- 片側検定と両側検定
- 区間推定
「差」はあるといえるのか3(平均値に関する推定と検定)(11/5)
- t分布とt検定
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- t分布
- 不偏分散、自由度
- 効果量
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- 検定統計量と効果量
- 資料
「差」はあるといえるのか4(平均値に関する推定と検定)(11/12)
- 2グループ間の平均の差の検定
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- 正規性の検定
- 一対の標本による平均の検定
「差」はあるといえるのか5(平均値に関する推定と検定)(11/19)
- 2グループ間の平均の差の検定
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- 等分散性の検定(F検定)
- 等分散を仮定した2標本による検定(Student)
- 分散が等しくないと仮定した2標本による検定(Welch)
「差」はあるといえるのか6(平均値に関する推定と検定)(11/26)
- 統計ツールを用いたデータ分析2(「平均の差の検定」)
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- Excel分析ツールを用いたF検定とt検定
- SPSSを用いたt検定
- 課題
グループによって平均に差はあるのか?(一元配置の分散分析)(12/3)
- 平均の差の検定と分散分析
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- Studentのt検定との異同
- 因子による分散と残差による分散
- 分散比Fとその分布(F分布)
- F(片側)検定
- 3グループ以上の平均差の検定
- 効果量η2
- Welch修正(平均値同等性の耐久検定)
- 「頑健性(ロバスト)」とは
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- Studentのt検定とWelchのt検定
- (フィッシャーの)F検定とLevene検定
- (フィッシャーの)分散分析とWelch修正
- 課題
カテゴリーごとの傾向を見る1(クロス集計とその検定)(12/10)
- クロス集計表の作成とグラフ表現
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- Excelピボットテーブル機能
- 比率計算
- 帯グラフ
- クロス集計表の独立性の検定
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- ノンパラメトリック検定
- 実測値・理論値・残差
- Χ2検定
- G検定(尤度比検定)
- イェイツの連続修正
- フィッシャーの正確確率検定
- 資料と課題
カテゴリーごとの傾向を見る2(効果量と残差分析)(12/17)
- 連関係数(効果量)
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- φ係数
- クラメールの連関係数
- 残差分析
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- 調整済み残差
- Z検定
- 資料と課題
2つの事象の関係を見る(相関分析と回帰分析)(01/07)
- 2変数の関係とグラフ表現
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- 散布図と近似直線
- 正の相関と負の相関
- 因果関係と相関関係
- 関係の強度(効果量)を表す相関係数
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- 共分散
- 相関係数
- 決定係数
- 相関係数の有意性検定
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- 自由度
- 標準誤差
- 検定統計量
- t検定
- 資料と課題
複数の要因の絡まりを解きほぐす(相関分析・回帰分析)(1/14)
- 回帰式
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- 最小二乗法
- 回帰変動、合計変動、残差変動
- 傾き
- 切片
- 回帰分析の有意性
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- 回帰分析モデルの分散分析
- 回帰係数のt検定
- 重回帰モデル
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- 偏回帰係数とその有意性
- 標準化偏回帰係数
- ダミー変数を用いた重回帰分析
- F値と変数選択
- 自由度調整済み決定係数
- モデル選択
- 複数の要因の絡み合い
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- 疑似相関
- 偏相関係数
- 偏回帰係数の読み取りとモデル選択
- 資料と課題
成績評価
- 評価基準
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平常点+最終課題
- 平常点
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- 各回提出物(5回以上の未提出で平常点はなし)
- 最終課題
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- 度数分布表・平均の差の検定・分散分析・クロス集計・相関・重回帰分析
- 最終課題(100点)
- 平常点(100点)+最終課題ボーナス点(40点ただし100点以上は切り捨て)
A,Bいずれかの評価点のうち、点数の高いものを最終的な成績評価とする。
使用ツール・参考サイト
参考文献
- 完全独習 統計学入門小島 寛之 ダイヤモンド社 2006年
- Excelでここまでできる統計解析 今里健一郎・森田浩 日本規格協会 2007年
- 文系のためのSPSS超入門 相川卓也 プレアデス出版 2005年
- それ、根拠あるの?といわせないデータ・統計分析が出来る本 柏木 吉基 日本実業出版社 2013年